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フカセ仕掛けとは

 松竿の釣りの記憶 


フカセと言う釣りは、まだリールなどが普及していない頃、 子供たちが遊びで行っていた釣り方で、 竹藪で採って来た竹の先に紡績糸(凧糸の道糸)を結び、 先にはフナ用のハリ(袖針?)を結び、エサは砂ゴカイ、フナ虫、カメの手を採取し使用、 ウキを付ける子はほとんどおらず、竿先や釣り糸の変化で魚が掛かった事を知る釣り方でした。

やがてリールが普及、竿と道糸で届く範囲を超え、沖合に付け餌が届くようになるとウキも合わせて普及、 道糸にウキを装着、魚がいる深さに合わせウキを移動させるなど、ウキで当りを取るようになりました。
この頃より色々なタイプのウキが考案され市販されるようになり、 ウキを使用した釣り方は飛躍的に進展、『ウキフカセ』と総称される釣法が定着したように思います。

ウキを使用したフカセ釣りはさらに変化して行き、 現在主流となっているフカセ仕掛けを3点ほど紹介しようと思います。
 ■半誘導フカセ仕掛け
 ■全層フカセ仕掛け
 ■全誘導フカセ仕掛け  

■フカセ釣りの基本仕掛け


フカセの基本的な仕掛けです。




 基本的な仕掛け 


・道糸(メインライン)

ナイロンラインであれば1.5~2.0号が主流で、 昨今はPEラインを使用する方も現れ、0.6~1.0号が使用されています。
PEラインは伸びないのでハリスに掛かる負荷が大きく、 負荷を軽減するために柔らかめの竿を利用する、リールのドラグを緩めで使用する、 又はハリスを1ランク太くするなど、対象の魚に合わせ対策が取られます。


・ハリスライン

ハリスも対象とする魚や大きさに合わせて変えますが、 フロロカーボン、ナイロン製であれば1.2~2.5号が多用され、 長さは、1ヒロ半~2ヒロが良いでしょう。
参考)口太クロ50㎝程度であれば2.5号で対応できるでしょう。


・ウキ類

ウキのタイプも多種有りますが、一般的に中通しのドングリタイプ、 棒ウキが使用され、潮流や狙う深さによりウキの号数を上げ、 ウキの負荷に応じた錘をからまん棒以下の道糸やハリスに取り付け、 ウキが確認できる浮力を残して使用します。

この場合、狙う深さに合わせ道糸にウキ止め糸を巻き、シモリ球を入れます。 仕掛けが想定した深さに沈む間、ウキは道糸に沿い移動して行き、 シモリ玉で止まります。
この行程を半誘導と呼んでいます。


・シーアンカー

潮流などによりハリス部分が浮き上がらないように入れるもので、 状況により使用、常設する必要はありません。

■全層フカセ釣り仕掛け



全層フカセ仕掛けは、前期の半誘導仕掛けと基本的には同じで、 異なる部分は、ウキの負荷に応じた錘にあります。
半誘導仕掛けでは、ウキを水面に維持するために浮力を残して錘を装備するのですが、 全層フカセ仕掛けの場合、ウキの浮力より少し大きめの錘を取り付け、 仕掛けが想定した深さに達した際、ゆっくりウキごと沈めて行く釣り方です。 釣りを始める前にウキが沈んでいく速さを錘で調節、 出来るだけゆっくり沈むよう錘を変え、何度か試してください。
この仕掛けは、想定した深さからさらに深い棚を探るのに適しています。

この仕掛けは水深が深い場所で使用されますが、ウキごと沈める釣りなので、 浅い海域や海底に沈み瀬や起伏がある場合、根掛かりに注意しなければなりません。

■全誘導フカセ釣り仕掛け


全誘導フカセ仕掛けです。



 全誘導仕掛け 


全誘導仕掛けは、半誘導仕掛けと基本的な装備は同じです。 異なる部分は、ウキ止め糸、シモリ玉を付けず、 道糸を張り気味にして、海底まで送り込んでいく操作にあります。
また大きく異なる部分はウキにあります。


・ウキ類とウキの調整

ウキの種類は半誘導と同じで、ドングリ、棒ウキタイプで良いのですが、 半誘導ではウキの浮力調整をからまん棒以下の道糸やハリスに錘を取り付け行いますが、 全誘導では、ウキに直接錘を張り付け自立ウキとして浮力を調整するところです。

この調整で大事なところは、ウキを海面で確認できるようぎりぎりの浮力を残し、 錘を張り付けるところにあります。
そして道糸を送り出すことで、仕掛けを表層から下層へ送り込んでいきます。
この仕掛けは、浅い海域でも使用でき、付け餌を撒き餌と同調させやすく、 またウキに錘を貼る事で楽に遠投できるようにもなります。
当たりはダイレクトに道糸に伝わる事が多く、海面のウキでも確認出来ます。

松竿は『全誘導仕掛け』を多用し、主にクロ釣りを楽しみますが、 離島では対象魚に合わせウキサイズや仕掛けの太さを変え、 青物、真鯛、イサキにも対応しています。
刻々と海況が変わる中、表層から下層迄探ることが出来るこの仕掛けに、 幼い頃の釣りを重ね合わせ釣りを楽しんでいます。


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